とようけ茶屋
とようけ茶屋 (とようけちゃや) 2008/05/14訪問
Overview
This article covers a visit on May 14, 2008, to “Toyouke Chaya,” a popular eatery located in front of Kitano Tenmangu Shrine. Operated by the venerable tofu maker “Toyoukeya Yamamoto” (founded in 1897), the shop’s name derives from the deity of food and grains, Toyouke-bime-no-kami. The author describes the “Toyouke-don” and “Fresh Yuba-don,” noting the hearty and flavorful seasoning tailored for active travelers rather than the delicate style of high-end kaiseki. By highlighting the shop’s mission to provide premium quality at everyday prices, the narrative illustrates the authentic pride of a Kyoto neighborhood tofu maker whose products offer a refined yet unpretentious essence of soybeans.
概要
本稿は2008年5月14日、京都・北野天満宮の門前に位置する「とようけ茶屋」を訪れた際の食歩記です。明治30年創業の老舗豆腐店「とようけ屋山本」がプロデュースするこの食事処について、店名の由来である食物の女神「豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)」の歴史から、国産大豆へのこだわりまでを詳述。看板メニューの「とようけ丼」や「生ゆば丼」を通じ、料亭の京料理とは一線を画す「町の豆腐屋」ならではの、日常に寄り添った力強い味わいと心意気を紹介しています。高級感を振りかざさず、最高の品質を日常の価格で提供する老舗の哲学に触れた記録です。
龍安寺の山門を出て、きぬかけの道に戻ったのは11時45分。この近くで昼食を摂り、仁和寺、妙心寺方向に向かうことも考えたが、観光客も多いので、一度北野白梅町の交差点まで引き返すこととした。龍安寺前の停留所から市バス59号に乗り、4つ目の金閣寺道で下車する。ここから市バス101号に乗り換え3つ目の停留所である北野天満宮前で下車する。この間30分程度であった。目の前には北野天満宮の大鳥居が見える。今出川通を挟んで北野天満宮に面する とようけ茶屋で本日の昼食を頂く。
とようけ茶屋は平成4年(1992)に京豆腐のとようけ屋山本が北野天満宮の門前に出した比較的新しい店舗である。とようけ屋山本は、もともと豆腐の製造と販売を行う店舗であった。自社が製造した豆腐を広く修学旅行生や観光客にも食べてもらいたいと考え、新たな食事処を開いたのである。
とようけ屋山本の公式HPによると、創業は明治30年(1897)山本豆腐店として、現在の宥清寺正門東脇に開業している。太平洋戦争が終結するまでの間、北野天満宮の近辺に店舗を何回か移転させている。昭和45年(1970)より原料を国産大豆のみに切り替え、大徳寺僧堂、大徳寺真珠庵、大本山興聖寺へ納入している。昭和47年(1972)に屋号を現在のとようけ屋山本に変更する。屋号は豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)から名付けられている。伊勢神宮外宮(豊受大神宮)の祭神 豊受大御神は、古事記では豊宇気毘売神、日本書紀では豊受媛神と表記される。ウケは食物のことで、豊宇気毘売神は食物・穀物を司る女神である。
こちらの店舗は昼のみの営業となっており、価格も非常に安価であるため、修学旅行生の立ち寄る店となっている。メニューは京野菜と生湯葉膳から始まり、豆腐、湯葉を使った丼ものは千円以下で供されている。胃にも優しい食材ではあるが、量感はしっかりとあるため、観光客の昼食としてはぴったりな物とも言える。今回は、とようけ丼と生ゆば丼を注文した。最初におぼろ豆腐と思われる小鉢が出され、その後に丼が運ばれた。少し味は濃い目で、想像していたものとは少し違う印象を受けた。HPにも記されている通り、
料亭の京料理ではございません。豆腐屋のつくる茶屋の食事でございます。活発に活動されている方の昼食にと、やや濃いめの味付けです。
という考えで作られているので、それを受け入れる人だけが頂ければよいと思う。いろいろな形で豆腐や湯葉や油揚げなどを作り上げているところが面白く、工夫に感心しながら非常に美味しく頂けた。ちなみにHP上のお品書きを見ると木綿、絹、焼き豆腐は当たり前として、本柚子豆腐 、胡麻豆腐、青紫蘇豆腐から黒豆豆腐、辛子豆腐、ひろうす、よもぎ麩と扱う品は広い。このあたりが
大上段に高級を振り翳す事なく、御町内御用達を誇りに思い、出来る限り日常使いの値段で最高の品質のものを提供する事を使命として、又、一人でも多くの方々に京都へおいで願えればと思い精進しています。
と記し、町の豆腐屋の心意気を表していると思う。ちなみに先日、六本木ミッドタウンの地下のスーパーマーケット Precce Premiumで販売されていたのを見かけた。東京で食べてみると、やはり東京の豆腐との違いが明らかに出ている。うまく表現できないが、豆腐らしさを余り強調しなくても(無理に大豆の香りを濃厚にしなくても)、美味しい豆腐と感じられるような、そのような余裕がある豆腐というイメージが残った。やはり毎日食べる豆腐はこういう豆腐であって欲しい。








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