アーカイブ:2009年 6月 28日
本稿は2008年5月13日、京都の都心に広がる巨大な緑地「京都御苑(きょうとぎょえん)」を散策した際の記録です。幕末の「内裏圖(だいりず)」を紐解き、かつて200以上の公家邸宅がひしめき合っていた「公家町」の歴史的景観を解説。明治の東京遷都による荒廃から、明治天皇の御沙汰による内裏保存事業、そして大正大礼に向けた整備を経て、現在の「国民公園」へと至る変遷を辿っています。宮内庁、内閣府、環境省が複雑に管理を分担する現在の運営形態や、240年以上の歴史を刻む九門の現況など、都市公園でありながら皇室文化の象徴でもある御苑の多層的な魅力を描き出しています。
本稿は、京都御所参観記の続編として、主要殿舎以外の門や車寄、そして広大な庭園に焦点を当てた2008年5月13日の記録です。公卿が参内した「宣秋門」や「御車寄」、身分に応じた控えの間である「緒大夫の間」など、宮廷社会の厳格な階級構造を反映した建築遺構を詳述。さらに、大正御大礼で新設された「新御車寄」や「春興殿」にも触れ、近代における御所の変容を辿ります。後半では、建物と対照的なゆとりを見せる「御池庭」や、生活空間に寄り添う「御内庭」の作庭意匠を観察し、自然景観と建築美が調和する皇宮の深奥を丁寧に描き出しています。
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