アーカイブ:2009年 5月 01日
本稿は2008年05月11日に、宇治の史跡巡りを締めくくる形で「宇治の町並み」を散策した際の記録です。平等院表参道の賑わいから、宇治茶の歴史を今に伝える上林記念館の長屋門、そして京阪宇治駅へと至る道すがら、宇治という土地が持つ重層的な性格を考察しています。古代の離宮や貴族の別業として愛された「風光明媚な景勝地」としての側面と、京・奈良・大坂を結ぶ「交通の要衝」ゆえに幾多の戦乱の舞台となった軍事的な側面。歴史の転換点となった数々の宇治川の合戦を振り返りながら、穏やかな現在の町並みの背後に潜む、ダイナミックな歴史のうねりを格調高く記述しております。
本稿は2008年05月11日に、世界遺産であり平安貴族の浄土信仰の結晶である「平等院(びょうどういん)」を訪問した際の記録です。藤原氏全盛の時代、末法思想の広がりの中で藤原頼通が父道長の別荘を寺院に改めた歴史的経緯を紐解きます。阿字池の中央に浮かぶ鳳凰堂の独創的な建築構造――「歩くための機能」を削ぎ落とし、浄土の宮殿を具現化した装飾的翼廊や、定朝の手による阿弥陀如来坐像が放つ和様の美について深く考察しています。また、源頼政の自刃の地としての史実や、景観に配慮した地下型ミュージアム「鳳翔館」の現代的意義、さらには迫りくる都市化による景観崩壊への危惧に至るまで、過去・現在・未来を見据えた重厚な記述となっております。
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