アーカイブ:2009年 5月 02日
本稿は2008年05月11日に、京都市伏見区日野に位置する真言宗醍醐寺派の古刹「法界寺(ほうかいじ)」を訪問した際の記録です。藤原北家日野一族の菩提寺として知られ、親鸞聖人の生誕地や鴨長明ゆかりの地でもある歴史的な背景を詳述しています。「乳薬師」として信仰を集める薬師如来立像を安置した薬師堂や、国宝の阿弥陀堂および阿弥陀如来坐像の建築・彫刻的価値について鋭く考察しています。特に、平等院鳳凰堂の本尊を模したとされる定朝様式の阿弥陀如来坐像や、鎌倉時代初期の繊細な気風を残す宝形造の阿弥陀堂の美しさ、そしてかつての浄土式庭園の名残を留める池泉の佇まいなど、人里離れた静謐な聖域に漂う平安の余香を格調高く記述しております。
本稿は2008年05月11日に、日本三禅宗の一つ、黄檗宗の大本山である「萬福寺(まんぷくじ)」を訪問した際の記録です。寛文元年(1661年)、中国福建省から渡来した隠元禅師によって開創されたこの寺院は、明朝末期の様式を色濃く残す牌楼(はいろう)形式の総門、布袋尊を祀る天王殿、チーク材を用いた大雄宝殿など、和様の寺院建築とは一線を画す異国情緒豊かな伽藍構成が特徴です。インゲンマメや普茶料理など、隠元禅師がもたらした当時の最新中国文化の影響を考察しつつ、魚の形をした法器「開梛(かいぱん)」や襷勾欄(たすきこうらん)といった細部の意匠、さらには龍の目に見立てた「龍目井」の伝説に至るまで、禅寺としての厳格さと大陸的な意匠が融合する独自の空間を格調高く記述しております。
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